5Gビジネス 2019 6 23

 5G(第5世代移動通信システム)は、
スマートフォンのような一般ユーザーにはメリットはなく、
IoT(Internet of Things)こそ本領を発揮すると思っています。

書名 5Gビジネス
著者 亀井 卓也  日本経済新聞出版社

 たとえば、ノートパソコンやタブレットを屋外で使うとなると、
モバイルWi-Fiルーターが必要になります。
 これは、ポケットに入るサイズですが、
モバイルWi-Fiルーターで使う電波は、
スマートフォンで使う電波と比べると、周波数が大きく違います。
 モバイルWi-Fiルーターは、携帯電話会社によって違いますが、
最近増えているのが2.5GHzであり、
スマートフォンは、800MHzが多いでしょう。
実は、周波数の違いによって、メリットとデメリットがあります。
 2.5GHzの場合は、周波数が高いので、
より多くの情報量を電波に乗せることができます。
つまり、高速・大容量の通信が可能です。
 しかし、直進性が強くなりますので、
屋内や山間部は、電波が届きにくくなります。
 もちろん、屋内でも窓際は問題ないでしょうが、
建物の奥に入ると、電波が届きにくくなります。
 一方、800MHzは、プラチナバンドと呼ばれていて、
周波数が低いので、障害物があっても、電波が届きやすいのです。
半面、2.5GHzと比べて、電波に乗せられる情報量は少なくなります。
 そうすると、モバイルWi-Fiルーターにおいては、
2.5GHzの電波が届かないと感知したら、
自動的に800MHzの電波に切り替わるとすればよいのですが、
携帯電話会社としては、電波を二つ使うので、
追加料金を徴収したいでしょう。
 一方、モバイルWi-Fiルーターにあるモデムにも、工夫が必要です。
モデムは電波を受信する装置ですが、
2.5GHzと800MHzの電波を自動的に感知するとなると、
コスト高になります。
 このように周波数を高くすればするほど、
高速・大容量になってきますが、
電波が届かない場所が増えてきます。
 ちなみに、潜水艦が使う電波は、超がつくほど低周波になると聞いたことがあります。
海という障害物があるので、海面を透過できる周波数となると、
「超長波」になるでしょうが、電波に乗せる情報量は非常に少なくなります。
 さて、この本によると、
5Gに割り当てられた電波は、3.7GHz帯、4.5GHz帯、
そして、28GHz帯となっているという。
 これでは、モデムを作るのも大変であり、
基地局の構築も大変なうえにコスト高になります。
 いっそのこと、5Gはやめて、
小型の人工衛星を大量に打ち上げて、衛星通信のほうがよいと思いたくなります。
 もっとも、天文学者からは文句が出そうですね。
天体観測をする時に、衛星が邪魔になるかもしれません。

















































































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